「楽天モバイルで買ったこのiPhone、将来ドコモやauに乗り換えたくなったら使えるのかな?」
「逆に、ソフトバンクで買ったiPhoneを楽天モバイルで使いたいんだけど、何か手続きは必要?」
スマートフォンのキャリア乗り換えを検討する際、今使っている、あるいはこれから購入するiPhoneが他のキャリアでも利用できるのかどうか、つまり「SIMロック」がかかっているのかどうかは、非常に重要なポイントですよね。特に、比較的新しいキャリアである楽天モバイルで購入したiPhoneの扱いについては、気になる方も多いはずです。
この記事では、そんな疑問を解消するために、楽天モバイルで購入したiPhoneのSIMロック状況、それを他キャリアで使うための具体的な方法、さらに他キャリアで購入したiPhoneを楽天モバイルで使うためのSIMロック解除方法まで、元の情報量をできるだけ維持しながら、網羅的かつ分かりやすく解説していきます。
端末選びやキャリア乗り換えで後悔しないために、SIMロックに関する正しい知識を身につけましょう!
- 楽天モバイルではiPhone 6s以降の機種でiOS 14.4以上が対応
- 物理SIM(nanoSIM)とeSIMの2種類から選択可能
- 他社キャリアからの乗り換え時はSIMロック解除が必要な場合がある
- 最新機種はeSIMがおすすめだが、古い機種では物理SIMが安定
- SIMカード選びは機種の対応状況、利便性、将来性を考慮する
まずは基本から!SIMロック・SIMフリーって何?
本題に入る前に、「SIMロック」と「SIMフリー」という基本的な用語の意味をしっかり押さえておきましょう。
「SIMロック」とは? – キャリアによる利用制限
SIMロックとは、特定の通信事業者(キャリア=ドコモ、au、ソフトバンクなど)が、自社で販売したスマートフォンに対して、他のキャリアのSIMカードを挿入しても通信できないように制限(ロック)をかけることを指します。
例えば、過去にドコモでSIMロックがかかった状態で販売されたiPhoneは、ドコモのSIMカードでしか通話やデータ通信ができませんでした。この仕組みは、キャリアが端末代金を割引販売する代わりに、ユーザーに一定期間自社の回線を使い続けてもらうことを目的として導入されていました。
「SIMフリー」とは? – どのキャリアでも使える自由な状態
一方、SIMフリーとは、上記のようなSIMロックがかかっていない状態のことです。SIMフリーのスマートフォンであれば、ドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天モバイルなど、国内のどの通信事業者のSIMカード(またはeSIM)を入れても、基本的に通話やデータ通信が可能になります。Apple Storeで直接販売されているiPhoneなどは、最初からSIMフリーです。
SIMカードとeSIMの違いも知っておこう
近年、従来の物理的なSIMカード(スマホに挿入する小さなICカード)に加えて、eSIM(イーシム)という新しい形態も普及しています。eSIMは、スマートフォン本体の基板に予め埋め込まれたデジタルなSIMです。
物理的なカードの抜き差しが不要で、オンラインでの申し込み後、契約情報を端末にダウンロードするだけで利用を開始できるのが大きなメリットです。楽天モバイルもeSIMに完全対応しており、対応機種(iPhone XS/XR以降など)であれば、オンライン申し込みから最短3分で開通することも可能です。SIMロック/フリーの考え方は、物理SIMでもeSIMでも同様に適用されます。
【結論】楽天モバイルで販売しているiPhoneのSIMロック状況は?
さて、本題の楽天モバイルのiPhoneについてです。
楽天モバイルで購入したiPhoneは「すべてSIMフリー」です!
結論から申し上げると、楽天モバイルが現在販売している、また過去に販売したすべてのiPhoneは、SIMフリーの状態で提供されています。これは楽天モバイルの基本的な方針であり、iPhoneだけでなく、Androidスマートフォンを含む全ての販売端末において、SIMロックを一切かけていません。
したがって、あなたが楽天モバイルでiPhoneを購入した場合、その端末は将来的にドコモ、au、ソフトバンク、あるいは他の格安SIM(MVNO)など、どのキャリアに乗り換えたとしても、SIMロック解除の手続きを一切行うことなく、そのまま利用し続けることが可能です。これはユーザーにとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。
追い風となる国の規制変更(2021年10月~)
さらに、ユーザーにとって追い風となっているのが、国の規制変更です。総務省の方針により、2021年10月1日以降に新たに発売される端末については、すべての通信事業者に対して、原則としてSIMロックを設定せずに販売することが義務付けられました。
この規制により、iPhoneで言えばiPhone 13シリーズ以降のモデルについては、楽天モバイルに限らず、ドコモ、au、ソフトバンクのいずれで購入したものであっても、基本的にSIMロックがかかっていないSIMフリーの状態で販売されています。
つまり、比較的新しいiPhoneであれば、どのキャリアで購入したかに関わらず、キャリア間の乗り換えが非常に自由に行えるようになっているのです。
楽天モバイルで購入したiPhoneを他キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)で使う手順
楽天モバイルで購入した(=SIMフリーの)iPhoneを、将来的に他のキャリアで使いたいと考えた場合、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。
ステップ1:楽天モバイルの契約状況を確認する
まず、楽天モバイルとの現在の契約内容を確認しましょう。
- 端末代金の支払い: もしiPhoneを分割払いで購入していて、まだ支払いが残っている場合は、楽天モバイルを解約しても、残りの端末代金の支払い義務は継続します。完済するまで支払いが必要です。
- 契約期間の縛り: 楽天モバイルには、いわゆる「2年縛り」のような最低利用期間や契約解除料は基本的にありませんが、念のため契約内容を確認しておくと安心です。
ステップ2:乗り換え先のキャリアでの動作確認
次に、乗り換えを検討している新しいキャリア(例:ドコモ)の公式サイトなどで、現在お持ちのiPhoneのモデルがそのキャリアで問題なく動作するかを確認します。iPhoneであれば、国内の主要キャリアではほとんどの場合利用可能ですが、キャリアによっては特定の周波数帯に対応しておらず、一部エリアで繋がりにくくなる可能性や、VoLTE(高音質通話)などの一部機能に制限が出る可能性もゼロではありません。
ステップ3:MNP(ナンバーポータビリティ)の手続き(電話番号を引き継ぐ場合)
現在楽天モバイルで使っている電話番号を、乗り換え先のキャリアでもそのまま使いたい場合は、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)の手続きが必要です。
- 楽天モバイルの「my 楽天モバイル」アプリやWebサイトからMNP予約番号を取得します。(※有効期限は通常15日間です)
- 取得したMNP予約番号を、新しいキャリアでの契約申し込み時に伝えます。
- 新しいキャリアでの回線開通手続きが完了すると、自動的に楽天モバイルは解約となります。
※2023年5月より「MNPワンストップ方式」が導入され、乗り換え元(楽天モバイル)でのMNP予約番号取得が不要なケースも増えています。乗り換え先のキャリアがワンストップ方式に対応しているか確認しましょう。
ステップ4:新しいキャリアのSIMを挿入し、APN設定を行う(必要な場合)
新しいキャリアのSIMカード(またはeSIMプロファイル)が手元に届いたら、iPhoneに挿入(または設定)します。その後、多くの場合、APN(アクセスポイント名)という、インターネットに接続するための設定が必要になります。
APNの設定方法はキャリアによって異なりますが、通常はキャリアの公式サイトや、送られてくる設定ガイドに記載されています。iPhoneの「設定」>「モバイル通信」>「モバイルデータ通信ネットワーク」といった項目から設定します。自動で設定される場合もあります。
ステップ5:利用開始!
上記の設定が完了すれば、楽天モバイルで購入したiPhoneで、新しいキャリアの回線を利用開始できます。キャリアによっては、専用のアプリ(キャリアメール用アプリなど)のインストールが推奨される場合もあります。
他キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)のiPhoneを楽天モバイルで使うには?【SIMロック解除ガイド】
今度は逆に、これまでドコモ、au、ソフトバンクなどで使っていたiPhoneを、楽天モバイルに持ち込んで使いたい場合の手順と注意点を解説します。
SIMロック解除が必要になるのはどんな時?
楽天モバイルで他社購入のiPhoneを使う場合、SIMロック解除が必要になるかどうかは、そのiPhoneの購入時期とモデルによって決まります。
- SIMロック解除が【必要】な可能性が高いケース:
- 2021年9月30日以前にドコモ・au・ソフトバンクで購入したiPhone(目安としてiPhone 12シリーズ以前のモデル)。これらの端末は、購入時にSIMロックがかかっている可能性が高いです。
- SIMロック解除が【不要】なケース:
- iPhone 13シリーズ以降のモデル(2021年10月1日以降発売)。国の規制により、原則SIMフリーで販売されています。
- Apple Storeで購入したiPhone(モデルに関わらずSIMフリーです)。
- 中古で購入したSIMフリー版のiPhone。
- すでに元のキャリアでSIMロック解除手続き済みのiPhone。
自分のiPhoneのSIMロック状態を確認する方法
お使いのiPhoneがSIMロックされているか不明な場合は、以下の手順で簡単に確認できます。
- iPhoneの「設定」アプリを開きます。
- 「一般」をタップします。
- 「情報」をタップします。
- 画面を下にスクロールし、「SIMロック」という項目を探します。
- ここに「SIMロックなし」と表示されていれば、あなたのiPhoneはSIMフリーであり、SIMロック解除は不要です。楽天モバイルのSIMをそのまま使えます。
- ここにキャリア名などが表示されている、または「SIMロックあり」といった表示の場合は、SIMロックがかかっています。楽天モバイルで使うためには解除手続きが必要です。
SIMロック解除の手続き方法:Web・店舗・電話
SIMロックがかかっていることが判明した場合、そのiPhoneを購入した元のキャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)で解除手続きを行います。主な手続き方法は以下の3つです。
- Webサイト/マイページ/公式アプリからの手続き:
- 各キャリアが用意している会員向けWebサイト(My docomo, My au, My SoftBankなど)や公式アプリから、オンラインで手続きを行う方法です。
- 多くの場合、手数料は無料で、24時間いつでも手続きできるため、最もおすすめの方法です。手順は各キャリアのサイトで確認してください。
- キャリアショップ(店舗)での手続き:
- ドコモショップ、au Style/auショップ、ソフトバンクショップなどの店頭で、スタッフに対応してもらう方法です。
- 端末本体と本人確認書類(運転免許証など)を持参する必要があります。
- 電話(カスタマーサポート)での手続き:
- 各キャリアのカスタマーサポートに電話して、口頭で解除を依頼する方法です。
可能な限りWeb/アプリからの手続きを選択するのが賢明です。
SIMロック解除の条件と注意点:スムーズな手続きのために
SIMロック解除の手続き自体は難しくありませんが、いくつかの条件や注意点があります。
SIMロック解除が可能になる主な条件
一般的に、SIMロック解除を行うためには、以下の条件を満たす必要があります。キャリアによって細部は異なりますので、必ずご自身の契約キャリアの公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 端末購入からの経過日数:
- 分割払いで購入した場合など、端末購入日から一定期間(多くの場合は100日程度)が経過している必要がある場合があります。一括払いで購入した場合は、購入当日から解除可能なこともあります。
- ネットワーク利用制限:
- 端末代金の未払いや不正契約などにより、ネットワーク利用制限(通称「赤ロム」)がかかっていないこと。制限がかかっている端末はSIMロック解除ができません。
- 料金の支払い状況:
- 携帯電話料金の滞納がないこと。
SIMロック解除手続きの注意点
- 対応機種: キャリアや機種によっては、Web/アプリからのオンライン手続きに対応しておらず、店舗での手続きが必須となる場合があります。
- 周波数帯(バンド): SIMロックを解除しても、持ち込んだiPhoneが乗り換え先のキャリア(楽天モバイル)が使用している周波数帯(バンド)に対応していなければ、正常に通信できない(圏外になる、通信速度が遅いなど)可能性があります。特に古い海外版iPhoneなどは注意が必要です。(ただし、日本国内で販売されたiPhoneであれば、主要キャリアのバンドには概ね対応しています)。
- 元に戻せない: 一度SIMロックを解除すると、基本的に元のSIMロック状態に戻すことはできません。通常は問題ありませんが、念のため認識しておきましょう。
- 自己責任: SIMロック解除後の端末の動作については、基本的に自己責任となります。
楽天モバイルでiPhoneを快適に使うための初期設定
無事にSIMロックの問題をクリア(または元々SIMフリー)し、楽天モバイルのSIM(eSIMまたはnanoSIM)を用意できたら、iPhoneで楽天モバイル回線を使うための初期設定を行います。
① OSバージョンの確認・アップデート
楽天モバイルの機能を最大限に活用し、安定した通信を行うためには、iPhoneのiOSを最新バージョン(少なくともiOS 14.4以上)にアップデートしておくことが強く推奨されます。
「設定」>「一般」>「ソフトウェア・アップデート」から確認・実行できます。
② APN設定(通常は自動だが確認)
APN(アクセスポイント名)は、モバイルデータ通信を行うための接続先情報です。通常、楽天モバイルのSIMをiPhoneに入れると自動で設定されることが多いですが、もし通信できない場合は手動設定が必要になることもあります。
- 確認・設定手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」をタップ
- 「モバイルデータ通信ネットワーク」(または「モバイル通信プラン」内の該当SIM)をタップ
- 「モバイルデータ通信」セクションの「APN」欄に
rakuten.jp
と入力されているか確認。されていなければ入力する。 - ユーザー名やパスワードは空欄のままでOK。
- 前の画面に戻れば設定は保存されます。
③ キャリア設定アップデート
SIMを挿入(またはeSIMを設定)してiPhoneを起動すると、「キャリア設定アップデート – 新しい設定を利用できます。今すぐアップデートしますか?」というポップアップが表示されることがあります。これは楽天モバイルのネットワークに最適化するための設定なので、必ず「アップデート」をタップしてください。
もしポップアップが表示されなかったり、後で確認したりしたい場合は、「設定」>「一般」>「情報」の画面を開くと、数秒後に表示されることがあります。
④ Rakuten Linkアプリのインストールと設定
楽天モバイルの国内通話無料を利用するためには、「Rakuten Link」アプリのインストールと初期設定(SMS認証など)が必須です。App Storeからダウンロードして、画面の指示に従って設定を完了させましょう。
これらの設定を行うことで、楽天モバイル回線でのデータ通信と無料通話が可能になります。
まとめ:SIMロックの心配は減少傾向!楽天モバイルiPhoneは自由度が高い
この記事では、楽天モバイルで購入したiPhoneのSIMロック状況と、他キャリアiPhoneとの相互利用について詳しく解説しました。
【重要なポイントの再確認】
- 楽天モバイルで購入したiPhoneは、最初からすべてSIMフリーです。そのため、将来的にドコモ・au・ソフトバンクなど他のキャリアに乗り換える際も、SIMロック解除の手続きは一切不要で、そのまま利用できます。
- 国の規制により、2021年10月1日以降に発売されたiPhone(iPhone 13シリーズ以降)は、どのキャリアで購入しても原則SIMフリーです。
- ドコモ・au・ソフトバンクで購入したiPhone 12シリーズ以前のモデルを楽天モバイルで使いたい場合は、SIMロック解除が必要な可能性が高いです。
- 楽天モバイルでiPhoneを利用する際は、iOSを14.4以上にアップデートし、必要に応じてキャリア設定アップデートやAPN設定を行いましょう。無料通話にはRakuten Linkアプリが必須です。
結論として、2025年現在、スマートフォンのSIMロックに関する制限は大幅に緩和されており、特に楽天モバイルで購入したiPhoneに関しては、キャリアの選択肢が非常に自由になっています。これにより、ユーザーはより柔軟に、自分のライフスタイルやニーズに合わせてキャリアや端末を選ぶことが可能になりました。
この記事が、あなたのスマートフォン選びやキャリア乗り換えの不安を解消し、より快適で自由なモバイルライフを送るための一助となれば幸いです。
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