楽天モバイルを検討中の方や、すでに利用している方の中には「パートナー回線って何?」「どこで使えるの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
格安で使える楽天モバイルですが、比較的新しいキャリアであるため、独自の回線だけではカバーしきれない部分があります。そこで活躍するのが「パートナー回線」なんです。
この記事では、楽天モバイルのパートナー回線について、基本的な仕組みからエリア、使用時の注意点まで徹底解説します。2026年に迫るパートナー回線終了についても触れていますので、今後も楽天モバイルを快適に使い続けるための参考にしてくださいね。
- 楽天モバイルのパートナー回線はau回線を借りたもので、楽天回線が届かないエリアでも通信できる仕組み
- パートナー回線は原則2026年9月末に終了予定
- 国内のパートナー回線はデータ通信が無制限で利用可能
- 海外では2GBまでの制限あり(超過後は128kbps)
- パートナー回線は5G通信に対応していない
楽天モバイルのパートナー回線とは?
楽天モバイルのパートナー回線とは、簡単に言うと「au回線を借りて使えるようにしているサービス」のことです。
正確には、楽天が提供するサービスエリアのうち楽天回線外でローミング接続されるau回線のことを指します。このパートナー回線によるローミングサービスは、2020年4月1日から順次提供されています。
楽天モバイルのサービスエリアの構成
楽天モバイルのサービスエリアは大きく分けて2つあります。
- 楽天回線エリア:楽天モバイルの自社基地局から電波を出しているエリア
- パートナー回線エリア:KDDIのau回線を借りているエリア
楽天モバイルは後発の通信キャリアなので、まだ自社の基地局だけではカバーしきれないエリアがあります。そこで、au回線をパートナー回線として借りることで、より広いエリアでのサービス提供を実現しているんですね。
楽天回線とパートナー回線の違い
楽天回線とパートナー回線には、いくつかの重要な違いがあります。
項目 | 楽天モバイル回線 | パートナー回線 |
---|---|---|
接続回線 | 楽天回線 | au回線 |
高速データ通信 | 無制限 | 国内:無制限 海外:月2GBまで |
通信速度制限 | なし | 国内:なし 海外:128Kbps |
5G対応 | 対応 | 非対応(4G LTEのみ) |
2023年6月以前は、パートナー回線の高速データ通信に月5GBという上限がありましたが、「Rakuten最強プラン」の開始により、国内ではパートナー回線でもデータ通信が無制限になりました。
ただし、海外でパートナー回線を使う場合は2GBまでが上限で、超過すると128kbpsの速度制限がかかります。容量が足りなくなった場合は、1GBあたり500円でチャージすることができます。
また、パートナー回線は4G LTEのみの提供となっており、5G通信には対応していません。5G通信を利用するには、楽天回線の5Gエリア内である必要があります。
パートナー回線のエリアと確認方法
パートナー回線のエリア
パートナー回線は全国47都道府県で利用可能ですが、楽天回線の整備に伴い、順次パートナー回線から楽天回線に切り替え作業が行われています。
2025年3月時点では、パートナー回線エリアは全国各地で縮小中です。一方で、楽天回線エリアは徐々に拡大しており、楽天モバイルの4G人口カバー率は2023年5月時点で99.9%に到達しています1。
ローミング切り替えの進捗状況は以下のようになっています:
ローミング切り替え開始時期 | 進捗状況 | 対象の都道府県 |
---|---|---|
2020年4月1日〜 | 順次切り替え | 東京都(一部地域は2021年3月末に原則切り替え済み) |
2020年10月1日〜 | 順次切り替え中 | 大阪府、奈良県 |
2021年4月1日〜 | 順次切り替え中 | 宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、静岡県、愛知県、滋賀県、京都府、兵庫県、広島県、愛媛県、福岡県 |
2021年10月1日〜 | 順次切り替え中 | 北海道、青森県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、三重県、鳥取県、岡山県、山口県、徳島県、香川県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県 |
2022年4月1日〜 | 順次切り替え中 | 岩手県、山形県、山梨県、和歌山県、島根県、高知県、長崎県、鹿児島県 |
パートナー回線の確認方法
現在使っている回線が楽天回線かパートナー回線かを確認するには、いくつかの方法があります。
1. my楽天モバイルで確認する
楽天モバイルを契約中の方は、会員サイト「my楽天モバイル」にログインすることで接続されている回線エリアを確認できます。
Webで確認する場合:
- my楽天モバイルの「ホーム」画面を開く
- 利用中の契約電話番号を確認
- 電話番号の下に表示されている接続中の回線エリアをチェック
アプリで確認する場合:
- my楽天モバイルアプリを起動
- 画面下メニューの「ホーム」をタップ
- 利用中の契約電話番号と、その下に表示されている接続中の回線エリアを確認
2. KDDIのローミングサービス提供エリアで確認する
楽天モバイルのパートナー回線エリアは、KDDI公式サイトの「楽天モバイル向けローミングサービス提供エリア」からも確認することができます。
3. 楽天モバイル公式サイトのエリアマップで確認する
楽天モバイルの対応エリアは、公式サイトの「通信・エリア」ページから確認できます。地図上では楽天回線・5G・パートナー回線がそれぞれ色分けされているので、一目で見分けることができます。
パートナー回線利用時の注意点
楽天モバイルのパートナー回線を利用する際には、いくつか注意点があります。
1. 自動切り替えに関する注意点
基本的に、楽天モバイルの楽天回線とパートナー回線は自動的に切り替わります3。しかし、楽天回線非対応製品やiPhone SE(第2世代)以前に発売されたモデルなど、一部端末では回線が自動で切り替わらないことがあります。
自動で回線が切り替えられないときは、機内モードのオンオフや端末の再起動によって改善する場合があります。iPhoneの場合は、iOS14.4以降に更新してキャリア設定をアップデートすると、回線が自動で切り替わるようになる場合があります。
2. 通信が不安定な場合の対処法
楽天回線エリアにいても圏外になってしまう、パートナー回線につながってしまうという場合は、以下の方法を試してみましょう:
- Wi-Fiのオンオフ
- 機内モードのオンオフ
- モバイルデータ通信のオンオフ
- 本体の再起動
- SIMカードの抜き差し
それでも改善しない場合は、通信障害が起きている可能性もあるので、公式サイトの「障害情報のお知らせ」を確認してみましょう。
3. 5G通信は利用できない
パートナー回線は4G LTEのみの提供となっており、5G通信には対応していません。5G通信を利用したい場合は、楽天回線の5Gエリア内である必要があります。
4. 海外利用時の制限
海外でパートナー回線を使う場合は、2GBまでが上限です。超過すると128kbpsの速度制限がかかります。
パートナー回線の終了予定と今後の対策
パートナー回線はいつまで使える?
結論からお伝えすると、楽天モバイルのパートナー回線は原則2026年9月末に終了予定です。
KDDIが発表しているローミング提供時期は「2026年9月30日まで」となっています。ただし、状況によっては延長される可能性もあります。
パートナー回線が終了したらどうなる?
パートナー回線が終了すると、楽天回線がカバーしていないエリアでは楽天モバイルが使えなくなる可能性があります。特に地下や商業施設、地方の山間部など、楽天回線だけでは電波が届きにくい場所での影響が懸念されます。
終了に向けた楽天モバイルの対策
パートナー回線終了に向けて、楽天モバイルでは以下のような対策を進めています:
- 自社回線の拡充:楽天モバイルは自社回線の整備を急ピッチで進めており、人口カバー率は2023年9月時点で99.9%に達しています。
- プラチナバンドの獲得:楽天モバイルの弱みは繋がりやすいプラチナバンドを所有していない点にありましたが、2024年6月27日に都心部でプラチナバンドの提供を開始しました。プラチナバンドは障害物に強く繋がりやすい周波数の電波帯域であり、建物内や地下などでも通信が安定します。
- KDDIとの新協定締結:楽天モバイルはKDDIと新たな協定を結び、パートナー回線終了後も一部地域でのローミングサービスを継続する可能性もあります。
よくある質問と回答
Q1: パートナー回線と楽天回線を手動で切り替えることはできますか?
A1: はい、手動で切り替えることができます。詳細な方法はスマートフォンの機種によって異なりますが、一般的には以下のような手順です:
iPhoneの場合:
- 「設定」アプリを開く
- 「モバイル通信」をタップ
- 「ネットワーク選択」をタップ
- 「自動」をオフにする
- 表示されるネットワーク一覧から選択
Androidの場合:
- 「設定」アプリを開く
- 「接続」→「モバイルネットワーク」をタップ
- 「ネットワークオペレーター」または「通信事業者」をタップ
- 「自動選択」をオフにする
- 表示されるネットワーク一覧から選択
Q2: パートナー回線での通信制限はありますか?
A2: 国内でのパートナー回線利用時は、2023年6月以降はデータ無制限で利用可能です。海外では2GBまでが上限で、超過後は128kbpsに速度制限されます。
Q3: 楽天回線エリア内でも圏外になることがあるのはなぜですか?
A3: 楽天回線はプラチナバンドに一部しか対応していないため、マンションの高層階や地下、大きな商業ビルの屋内などでは電波が届きにくく、楽天回線エリア内でも圏外になる場合があります。このような場所では、パートナー回線に自動的に切り替わることもありますが、パートナー回線のサービスも受けられない場所では圏外になります。
Q4: 契約前に楽天回線が使えるか確認する方法はありますか?
A4: はい、契約前でも確認できます。スマートフォンのネットワーク設定から、楽天回線を検出できるか試すことができます:
iPhoneの場合:
- 「設定」→「モバイル通信」→「ネットワーク選択」
- 「自動」をオフにする
- 「Rakuten」または「440 11」が表示されれば、その場所で楽天回線を利用可能
Androidの場合:
- 「設定」→「接続」→「モバイルネットワーク」→「通信事業者」
- 「自動選択」をオフにする
- 「Rakuten」または「440 11」が表示されれば、その場所で楽天回線を利用可能
まとめ
楽天モバイルのパートナー回線は、au回線を借りることで楽天回線がカバーしていないエリアでも通信サービスを提供する仕組みです。2023年6月からは国内でのデータ通信が無制限になり、より使いやすくなりました。
しかし、パートナー回線は2026年9月末に原則終了予定となっています。それまでに楽天モバイルは自社回線の拡充やプラチナバンドの活用を進めており、人口カバー率は99.9%まで向上しています。
楽天モバイルを検討中の方や利用中の方は、お住まいの地域や頻繁に訪れる場所が楽天回線エリアに含まれているか確認しておくと安心です。また、パートナー回線終了後も快適に利用できるよう、今後の楽天モバイルの回線整備状況にも注目しておきましょう。
楽天モバイルは比較的新しい通信キャリアですが、着実にサービスエリアを拡大し、より快適な通信環境を提供するための取り組みを進めています。これからの展開にも期待したいところですね。
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